ディスプレイエフェクト ドライバ設定詳細
 
ディスプレイエフェクト ドライバ設定の詳細

アイ・オー・データ社製ビデオカードには、グラフィクスカードの動作が詳細設定できるツール、ディスプレイエフェクトが付属しています。
もちろんPC-98用カードも例外ではなく付属しているのですが、ドライバの設定に関してはマニュアルにもREADMEにも詳しい情報が書かれていません。
しかし最高のパフォーマンスを得る為には個々のマシンそれぞれの設定を行う必要があります。
特にDVDを再生しようと考えているユーザーは大変に気になる部分であると思います。
ここには、ドライバ設定に関するそれぞれの項目が持つ機能を解説し、それらを設定、解除したらどうなるのか、どういった効果があるのかについて解説しています。
ただし、PC-98に対応していないグラフィクスカードが持つ特有の項目に関しては掲載していません。

□ DirectDraw/Direct3D/OpenGL設定 □


VSYNCと同期をとらない

VSYNCとは、垂直同期信号を発生させる回路を指します。このYSYNCと同期をとらず(非同期で)動作させることにより、若干ですが、パフォーマンスを高める事ができます。
ただし画面がちらついたり、ゴミ(表示異常)が発生する事があります。通常はチェックをつけずに使用します。

自動的にミップマップを設定する
ミップマップとはテクスチャ・マッピング時に起きるエイリアスを軽減する為の技術。大きさの異なるマップを多数用意しておき、画像の中のマッピング面積の占める割合に応じて置き換えていくテクニック。
通常は自動設定で使用しますが、VDB16等の場合、デフォルトでは無効となっているようです。

トライリニアフィルタリングを有効にする
トライニアフィルタリングは物体の表面に模様などの属性を張り付ける技術です。
通常は有効にして使用します。

アルファディザモードを有効にする

ディザを有効にすると、より鮮明な画像表示が行えるようになり、これを無効にすることで、より滑らかな描画表現が行えるようになります。通常は無効にしておいた方が良いようです。

AMD 3DNow!の命令セットを使用しない
K6-2やK-III等のCPUに付加されている拡張命令セットのサポートを無効にします。
動作が安定する場合がありますが、描画速度は低下します。K6-2,III系CPUを搭載していない場合、意味はありません。

ハードウェアによるDirect3Dのサポートを有効にする
ハードウェアによるDirect3Dのアクセラレーションを無効とし、ソフトウェアエミレーションで動作させるようにします。
グラフィクスチップへの負担は軽くなり、発熱も少なくなりますが、CPUへの負担が高くなり、Direct3D対応ゲームの描画速度も激減します。Direct3Dアプリケーションを動作させる際には必ず有効にしての使用をお勧めします。

ハードウェアによるT&Lのサポートを有効にする
ライティング等の処理をハードウェアで行うかどうかを指定します(デフォルトでは無効)。
GA-S2K32/PCI等でのみ表示される項目です。
有効にするとライティング処理等のパフォーマンスが高まりますが、全体的な3Dパフォーマンスは落ちてしまうようです。
特にT&L対応のソフトウェアを多用する事が無い人は無効にしておいたほうが良いようです。デフォルトでは無効になっています。

ハードウェアによるOpenGLのサポートを有効にする
GA-S2K32等でのみ表示される項目です。
GA-S2K32/PCIはICDドライバでOpenGLに対応しています。
ドライバ内部でDirect3Dをエミュレーションして動作するので全体的なパフォーマンスや安定性は若干低下しますが、OpenGLスクリーンセーバ等の動作は高速なものとなります。
GA-VDB16は、OpenGLドライバでOpenGLに対応しており、この項目はありませんがOpenGLアプリケーションも、ハードウェアアクセラレーションで高速に動作させられます。


○ビデオオーバーレイのモード

低解像度のみハイクオリティモード
1024×768ドット以下(1024×768含)の低解像度に対してハイクオリティモードを適用します。

ハイパフォーマンスモード
画質は低下しますが、高速なオーバーレイが行えるモードです。

ハイクオリティモード
全ての解像度でクオリティの高いオーバーレイを行います。最も負荷のかかるモードですが、画質は最高です。
ハイクオリティモードは密度が高く、鮮明な画像表示が行える半面、処理速度が低下します。
オーバーレイでのムービー表示等はCPUの処理速度にも影響します。
ハイクオリティで常時使用する場合にはK6-III以上(K6-III+推奨)の環境を構築しておくと快適です。


○テクセルの基準点

テクセルの左上の角を基準にする / テクセルの中央を基準にする

Direct3Dでは通常テクセルの中央を基準にテクスチャを貼り付けます。
ただし、ソフトによっては、この基準位置を変更することにより、パフォーマンスを高めることができますが、通常は中央を基準にする設定で使用します。


○アンチエイリアシングを有効にする

エッジエイリアシング
ドットの境界を目立たなくする処理を行います。この処理を行うことで描画品質を高める事ができますが、パフォーマンスが低下します。
対象となる物体に対してのみエイリアシングを適用します。
シーンエイリアシングと比較して高速な処理が行えます。
アンチエイリアシングはデフォルトでは無効となっていますが、使用する場合はエッジエイリアシングの指定がお勧めです。

シーンエイリアシング

ドットの境界を目立たなくする処理を行います。
この処理を行うことで描画品質を高める事ができますが、パフォーマンスが低下します。描画範囲全体にエイリアシングを適用します。
このためエッジエイリアシングと比較して処理が重たくなります。見た目はエッジの場合と大差はありません。


□ Glide設定 (GlideはVoodoo系GA特有の描画技術です) □

VSYNCと同期をとらない

VSYNCとは、垂直同期信号を発生させる回路を指します。
このVSYNCと同期をとらず(非同期で)動作させることにより、若干ですが、パフォーマンスを高める事ができます。
ただし画面がちらついたり、ゴミ(表示異常)が発生する事があります。通常はチェックをつけずに使用します。

テクスチャメモリを2MBに制限する
比較的古いGlide対応アプリケーションが正常に動作しない場合、テクスチャに使用できるメモリを制限することで動作させられる場合があります。

起動時に3DFXのロゴを画面に表示しない
Glide対応アプリケーションを実行した際、3DFXロゴを表示するかしないかを設定します。
表示させないからといってパフォーマンスや動作に影響があるわけではありません。

強制的にミップマップディザリングを有効にする
Glide対応アプリケーションの描画の不自然さを修正しますが、パフォーマンスが若干低下します。

強制的にトリプルバッファリングを有効にする
Glide対応アプリケーションで十分なバッファが確保できる場合は、この機能を有効にすることでレンダリングのパフォーマンスを高める事ができます。
この機能を有効にすると強制的に3番目のフレームバッファが割り当てられます。
 このフレームバッファは、3Dアプリケーションが他のタスクを実行しながら同時にハードウェアがレンダリングを行うようにすることで性能を向上します。
ただし、十分なバッファが無い場合は逆にパフォーマンスが低下したり、正常な動作を行えなくなります。

ビデオオーバーレイをハイクオリティモードに設定する
Glideアプリケーションに対するオーバレイの設定です。ハイクオリティモードだと、画質は向上しますがパフォーマンスが低下します。


□ 2D設定 □

BitBlt(ビットブリット)を有効にする
グラフィックapi。BitBltとは画像を矩形単位で転送する関数です。
主にスプライト処理(スクロールなど)に使用され、特定の矩形画像をデータとしてバッファ内に取り込み、それを指定した位置に瞬間的に貼り付ける技術を指します。
これにより、スクロール処理等を高速に行う事ができます。
DirectDrawが使用されていないアクションゲーム等には必須です。
この機能を有効にするかどうかを設定します。通常は有効で使用します。

ScanLR(スキャンエルアール)を有効にする
グラフィックapi。表示位置等を返す関数のアクセラレーション。
通常は有効で使用します。

StretchDIBits(ストレッチダイビッツ)を有効にする
グラフィックapi。ベタ描画のアクセラレーション。
通常は有効で使用します。

StretchBlt(ストレッチブリット)を有効にする
長方形領域内の画像の拡大・縮小コピーを行う関数のアクセラレーション。
通常は有効で使用します。

Ellipse(エリップス)を有効にする
楕円を描画するapi。
有効にすると楕円の描画が高速になります。
通常は有効で使用します。

Pie(パイ)を有効にする
扇型を描画するapi。
有効にすると扇型の描画が高速になります。
通常は有効で使用します。

RoundRect(ラウンドラクト)を有効にする
角の丸い長方形の描画をするapi。
有効にすると角の丸い長方形の描画が高速になる。
通常は有効で使用します。

Scanline(スキャンライン)を有効にする
主に透過処理を行うapi。
有効すると透過処理が高速になります。
通常は有効で使用します。

ビットマップキャッシュを有効にする
名の通り、ビットマップをキャッシングする機能を有効にするかどうか。
全てのビットマップがキャッシングされるわけではないので無効にしてもパフォーマンスに特に大きな変化はありません。

ExtTextOut(エクストテキストアウト)を有効にする
テキストの表示、補正に関わるapi。
有効にしておくとテキストのランダム表示等が高速になります。
通常は有効で使用します。

SaveScreenBitmap(セーブスクリーンビットマップ)を有効にする
ScreenSaveBitmapとも言い、画像取得に関するapiです。
通常は有効で使用します。

SetDIBitsToDevice(セットダイビッツトゥデバイス)を有効にする
BitBltと似た処理を行うapi。
有効にしておくとスクロールなどが若干高速になります。
通常は有効で使用します。

Rectangle(レクタングル)を有効にする
長方形を描画するapi。
有効にすると長方形の描画が高速になります。
通常は有効で使用します。

Chord(チョード)を有効にする
弓形を描画するapi。
有効にすると弓形の描画が高速になります。
通常は有効で使用します。

Polygon(ポリゴン)を有効にする
2
次元的な画像の最小単位を構成させるapi(座標を与えて図形を描画する)です。
有効にすると2次元3次元的な図形表示が高速になります。
通常は有効で使用します。

Arc(アーク)を有効にする
円・楕円弧を描画するapiです。
有効にすると円や楕円弧の表示が高速になります。
通常は有効で使用します。

Polyline(ポリライン)を有効にする
線を描画するapiです。
有効にすると折れ線グラフなどの表示が高速になります。
通常は有効で使用します。

パレット設定時にウェイトを入れる
パレット切り替えの際、ウェイト(遅延)を入れないと正常にパレット設定が行われない際など、この設定を有効としておく事で正常な動作をするようになります。
通常は有効で使用します。

256色を有効にする
256色表示モードを使用するかしないかを設定します。
使わない色数モードを無効としておく事で安定性が高くなります。

ハイカラーを有効にする
ハイカラー(65535色)表示モードを使用するかしないかを設定します。
使わない色数モードを無効としておく事で安定性が高くなります。

フルカラー(24)を有効にする
フルカラー(24bit色)表示モードを使用するかしないかを設定します。
使わない色数モードを無効としておく事で安定性が高くなります。

フルカラー(32)を有効にする
フルカラー(32bit色)表示モードを使用するかしないかを設定します。
使わない色数モードを無効としておく事で安定性が高くなります。

ワイド解像度を有効にする
ワイドディスプレイを使用するかどうかを設定します。
使わない解像度を無効としておく事で安定性が高くなります。

低解像度を有効にする
320×240といった解像度を使用するかどうかを設定します。
使わない解像度を無効としておく事で安定性が高くなります。

ハイカラー時にリニアモードを有効にする
リニアモードは一般的に細分化したデータを結合して処理する技術を指します。
アイコン類が正しくでなくなったり、表示に異常が現れた場合、有効とすることで直る場合もありますが、多くの場合、パフォーマンスが低下してしまいます。
特にこういった問題が発生していない場合や、気にならない場合は無効にしておく方が良いかもしれません。
デフォルトは無効です。

ライトコンバイニングを無効にする
1つずつでは小さな、ある程度の処理命令をまとめて処理装置に書き込む事で、バス幅を有効に利用し、性能を生かすという技術。
基本的に有効にしておいたほうがパフォーマンス的に高くなるが、3D以外のアプリケーションを動作させる場合は、無効としておいたほうがパフォーマンス的に有利な場合もあります。
デフォルトでは有効となっています。

メモリクロック MCLK
ビデオメモリへのアクセス周波数の設定です。
GAの性能にも大きく左右しますが、マシン本体の性能に依存する部分も大きく、上げすぎると画面にゴミが出たり、突然フリーズしてしまったりします。
設計段階の個体差による部分も大きいので、一概に「この値がベスト」というのはありませんが、V200やXv20等の機種では126〜128前後、Xc16では130前後が安定しているようです。設定してから5〜6時間普通に使用してなんとも無いようなら、もう1MHz設定をあげてみるといった感じで、安定動作する限界値を探してみてください。
メモリクロックを上げる事でGAの全体的なパフォーマンスを高める事ができます。

コアクロック CCLK
グラフィクスチップが実際に動作する周波数を表しています。
つまり、DirectDrawやDirect3D、OpenGLといったパフォーマンスに直接影響するクロックです。
メモリクロックとは異なり本体に依存する事はありませんが、グラフィクスチップの耐性(個体差)に大きく影響する部分があります。
ですから2D処理では問題のなかった周波数でも3D処理を長時間させると突然フリーズするといった事がよくあります。
はじめに117程度に設定しておき、Direct3Dスクリーンセーバ「落葉等」を7〜8時間連続表示させて停止してしまうようであれば、1MHz落とすといった根気のいる設定が必要です。

FIFOアクセスモード
処理命令をいったんFIFOバッファに入れて描画する方式。
GA-SV432等でのみ設定できる項目。一般的にはこちら(FIFOモード)のほうが安定するが、パフォーマンス的に若干低下します。
アクセスモードとはアクセスタイミングの事です。
マシンやGAの個体差によるものが大きいので、一番安定するアクセスモードを調べて指定する必要があります。
デフォルトはFIFOアクセスモードを使用しない設定です。

 
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